ビリヤードにも活かせる「メンタル本」の紹介

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ビリヤード業界にも、他のスポーツ業界と同様にたくさんの「技術本」(ビリヤードの技術を解説し、精度の上げ方や練習方法などを書き記した本)が存在します。

しかしながら「メンタル本」(ビリヤードプレー中における、精神のコントロールの仕方などを書き記した本)はほとんどありません(技術本の中には、メンタルの内容に軽く触れるものもありますが、一冊まるごと深く掘り下げたものはほぼ皆無だと思います。)。

ビギナー、C級の頃は、まだまだ技術的に伸びしろがありますし、試合で勝敗が分かれるのは技術的な部分によるものがほとんどだと思います。

ただ、B級、A級、あるいはそれ以上のレベルになってくると、メンタル的な部分で試合の勝敗が決まることも徐々に多くなってきます。

トーナメントプレーヤーの中で、メンタルに関する本を探されたことのある方もいらっしゃるのではないかと思うのですが、いかんせん上記の様にそのような本が無いので、苦労されたのではないでしょうか?

そこで今回は、自分が実際に読んでみて「これはかなりビリヤードに活かせそうだ」と感じたメンタル本をご紹介します。

こちらです。

『ゴルフ「ビジョン54」の哲学』です。

ビジョン54というのは、あの宮里藍選手(※日本ツアー優勝多数、海外ツアー9勝、2010年6月世界ランキング1位)のメンタルコーチだった、ピア・ニールソンとリン・マリオットという2人の女性コーチが提唱するゴルフ哲学の名称です。

(ピアとリンは宮里藍選手以外にも、アニカ・ソレンスタム選手や、ヤニ・ツェン選手といった2000年〜2010年に活躍した女子ゴルフのトッププロを多数コーチングしています。)

「18ホール、パー72。全てのコースでバーディーをとれれば、スコアは54。」

私自身は、ゴルフは打ちっ放しに数回行ったことがある程度のど素人ですが、このスコアがとてつもなく高いハードルであることはわかります。

ただ、そんなとてつもないハードルでも、自分自身を信じて潜在能力を最大限に引き出すことが出来れば、越えることは充分に可能である、という意味がこの「ビジョン54」というネーミングに込められています。

当然この本は「ゴルフ」の本なのですが、技術的な面はほとんど触れられておらず、その内容の大半がメンタル的な面や、競技の取り組み方、楽しみ方などの解説に費やされています。

文章の中に「ゴルフ」という単語がたくさん出てくるのですが、それらを全て「ビリヤード」と変換してもほとんど問題無く読めてしまうくらい、ビリヤードに活かせる内容が豊富でした。

その中でも特に印象に残っている項目を3つご紹介します。

1つ目は、

「思考ボックス」

「決断ライン」

「実行ボックス」

という考え方です。

「思考ボックス」は、主に左脳を使って次のショットのプランを分析し、「論理的に思考する」場所。

「実行ボックス」は、主に右脳を使ってイメージし、感覚を研ぎ澄まし、「ただ実行する」場所。

「決断ライン」というのは、上記2つのボックスの境界線にあり、完全に区別する為のライン。

そして2つのそれぞれのボックスで、どのように自分をコントロールすればより高いパフォーマンスを発揮出来るのか、を事細かに解説しています。

2つ目は、

「支配できること」

「支配できないこと」

この2つを完全に区別して捉え、「支配できること」だけに集中するという考え方です。

例えば、気分、道具、ルーティン、戦略、食事、プレー速度…これらは全て自分で「支配できること」です。

一方、湿度、対戦相手、テーブルコンディション、開始時間、過去のショット、勝敗…これらは完全には「支配できないこと」です。

(※実際の本の中では少し違った具体例が挙がっていますが、ビリヤードverに合わせて、湿度、テーブルコンディション、などを入れました。)

これらをはっきりと認識し、自分が今何に集中すべきなのか、をクリアにしていくことがいかに重要なのかが解説されています。

3つ目。

これは上記2つのような「メソッド」ではなく、「本全体を通して理解すること」だと思いますが、

「自分を知る」

ということです。

以前(10年位前?)宮里藍選手が、

「上達する為に最も大切なことは何ですか?」

という問いに対して、

「自分を知ることです。」

と答えていました。

その当時は自分自身まだこの本を読む前で、その言葉に込められた意味をあまり理解出来ませんでした。

ただ読んだ後には、「自分を知る」という言葉の意味がある程度は理解出来た気がしました。

今回ご紹介したこの、

『ゴルフ「ビジョン54」の哲学』。

ビリヤードをレジャーとして楽しまれている方には、正直あまり必要無いかもしれません。

ただ、積極的にトーナメントに参戦されていて、日々プレッシャーの中でプレーされている皆様には、きっとなんらかの収穫がある本だと思います。

もし良かったら読んでみて下さい。

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