「ビリヤードは湿気があると難しい。」
業界ではこのように言われています。
ただ自分自身が初心者の頃は、湿気がある時とない時とで、どういう変化が起きているのか全くわかりませんでした。
そこで今回は、湿気の影響でどのような変化が起きるのかを説明したいと思います。
まず1つ目。
ラシャが重くなります。
つまり、手球が転がりにくくなるということです。そして、それと共に引き球などのスピンの効きも悪くなります。
本当にキツイ時は、引こうとした球が止まりもせずに少し前に出てしまうようなこともあります。
これに関しては、水たまりの上でビリヤードしてることを想像して頂くと理解しやすいかと思います(極端な例ですが…)。
2つ目。
クッションが速くなる。
つまり、手球がクッションにあたって跳ね返る時の初速が通常時よりも速くなる、ということです。
それによってこんなことが起きたりします。
1、バンクが詰まる
通常だとこのように入ってくれるバンクが、
こんな感じに外れるようになります。
2、手球のラインが変わる
撞点左下でこのように出そうとしたラインが、
こんな風になってしまったりします。
このような変化が起きるので、それらを加味したプレーが必要になります。
自分が以前所属していた新宿のお店のテーブルは、雨の日の短クッションが尋常じゃなく速くなるので、バンキングくらいの強さで撞いた手球が、
こうなってしまうようなこともありました。
3つ目。
ポケットが入りにくくなる。
これは1つ目と2つ目の現象の影響で起きます。
通常時だと多少厚みがズレてもラシャが滑って「コロッ」と入ってくれていたものが入ってくれなくなったり、まずまず良い厚みだったとしてもショットスピードが速過ぎると「ガコガコ」して穴前に残るようになったりします。
なので、いつも以上にポケットの中心を狙って、尚且つスピードにも気を使う必要が出てきます。
4つ目。
スロウ、スキッドが起きやすくなる。
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湿気があると手球や的球にわずかなチリやホコリがつきやすくなるので、球同士がヒットした時の球離れが悪くなり、これらの「事故」が起きやすくなります。
5つ目。
キューが滑らなくなる。
これはテーブルコンディションとは別ですが、プレーに影響します。
キューがいつもより滑らないので、自分の感覚よりもキューの進みが遅くなり、タッチが合わなくなってイメージした球が出ないようになります。
これはグローブを使用することである程度軽減出来ますが、それでも多少の影響は受けます。
以上、5つ挙げてみました。
これらが、
「ビリヤードは湿気があると難しい」
と言われる理由です。
特に梅雨時などは厳しいコンディションになりがちで大変ですが、逆にタフなコンディションで練習出来る良い機会でもあるので、技術を高めるチャンスと捉えて取り組んでいければ良いのかなと思います。